「腹筋が足らない」という誤解
2021年 09月 03日
どんな運動をしているにせよ、腹筋を鍛えねば!!!腹筋が弱いから!!!と、思った事がない人というのは存在しないでしょう。
一般的に「腹筋」=「腹直筋」。
この腹直筋は、上半身の前側最下点である「恥骨」から、肋骨下部までをつなぐ、脊椎の前面を守る「アウターマッスル」です。
ここを鍛えるとどうなるでしょう?
鍛えた筋肉は肥大します。シックスパックのように、盛り上がった感じになっていきますね。
鍛えた筋肉は肥大します。シックスパックのように、盛り上がった感じになっていきますね。
筋肉は「伸びるとき」と「縮むとき」それぞれに力を発揮しますが、腹直筋においては、あまり「伸ばす」出番がありません。
もともと「アウターマッスル」というのは、体を「固定する」「保持する」ための筋肉です。
乗馬においてお腹の前側を縦に真っすぐに固めたら、どうなるでしょうか?
乗馬という運動は、まっすぐなように見えて、体全体は真っ直ぐではありません。
輪乗りや巻乗りでわかるように、体に捻りがつきものです。
乗馬に限らず、ほとんどの運動についても、同じ事が言えると思います。
なのに、体の前面が縦に固まっていたら?
自由なねじりが妨げられることになります。
さらに、筋膜を通じて太ももの前側である「大腿直筋」も固まるため、脚に過剰な緊張が生まれます。過度な緊張は、動きを妨げる一因となります。
そして、使えば使うほど、体の前側が短くなっていきます。人によっては恥骨が上がり、それによって膝が上がってきます。背中は丸まり、骨盤は後傾。ぶら下がり姿勢の出来上がりです。
何より骨盤が「後傾」してしまうことが、乗馬においてはマイナスになります。
また、これを中和するために常に背中を張りすぎて、背中を痛める方もいます。
ですので、私は自分の生徒さんには「カールアップ」などの「腹筋」は、特にはおすすめしていません。(全くない人はほかの方法をおすすめしています)
熱心過ぎる方ですと、過剰なまでに腹筋を鍛えた結果、仙骨を飛び出させてしまったり(ただでさえ、正反動などでは仙骨に負担がかかりやすいです)、腰を丸めすぎてしまったり、で、腰痛を引き起こしてしまわれます。
「腰痛は馬乗りの勲章!!」と唱えられる方も多いですが、防ぐ方法もあります。
痛みなく、馬と長く付き合うことができるなら、それに越したことはないと思います。
うつ伏せが辛い方は、大抵、前側が強すぎることが多いです。(弱すぎてもなる場合もあります)お腹は「凹まそう」、とするものではなく、「凹んでいく」ものです。
乗馬において、また、自由な運動を目指すにおいて、鍛えるべきは「腹筋」というよりは「体の前側を支える力」と「伸び上がる力」「下へ延びていく力」です。
勿論腹直筋も一役買いますが、メインは違います。
腸腰筋・腹斜筋・腹横筋・前鋸筋・骨盤内底筋群などのインナーマッスル。
これらを、単独ではなく、筋膜による連動を使って動かすカラダづくりを提唱しています。
内転筋=内腿の筋肉まで連動しますので、騎座の充実にうってつけです。
筋膜理論は本当に乗馬にぴったりで、これを学ばないのは勿体無いと思います。
靴を履こうとした時、椅子に座った姿勢から床のものを取ろうとしたときに、お腹が邪魔、なんとなく苦しい、ウッとくる、としたら。
その体は上記の「体の前側を支える力」が不全になっているということです。
また同時に、背中側の筋肉も充分に運動していないと予測できます。
みなさん「この腹が~」「この脂肪が~」とおっしゃって、ダイエット!!!腹筋!!!と頑張られますが。
不全になった筋肉は固くなりますので、それがウッとくるのです。
そこには勿論脂肪がつきやすくなります。
「腹筋100回!!!」
「負荷50キロ!!!」
などの目標はわかりやすいです。
達成感もあります。
それが効果を生む運動ももちろんありますし、体にショックを与え、成長を促す意味でも、レジスタンストレーニングは大事です。
ですが、乗馬に関して言えば、それだけでは足りません。
地味~なインナーマッスルトレーニング。
はまれば病みつきになります(笑)
何より、馬の上で自由に動けるようになります。
お腹も凹みます。トップライダーに腹ボテはいないですよね?
あれはダイエットだけの結果ではありません。
あれはダイエットだけの結果ではありません。
乗馬をされない方でも同じことが言えます。
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by jo-batoyoga
| 2021-09-03 18:34
| 体とトレーニング